まず物事は疑うことからだ
「今日は、行く・・・か・・・」
ここはシネンタウン。思念体が住む町。
寮から歩いて5分程度、そこに教会がある。
俺は時たま気が向いた時、そこに訪れる。
まあ足無いから歩かないんだが。
行かなくてもいいんだ。となりの図書館で時間を潰してもいい。
「俺としてはどちらでもいいんだが」
しかし気が向いたのだから仕方ない。
流れに身を任せよう。
「別に嫌じゃないしな・・・」
「何がですか?」
「うお!?」
びっくりした。少し道に目を向けながら歩いていたので気づかなかった。
いや浮いてるんだが。
「・・・よう」
この人は慈悲の思念体、ミトラ=クルス。
一言で言い表すなら、彼女は俺の恩人だ。
「おはようございます、ダウト」
教会前を掃除しているようだ。ご苦労さま。
「今日は天気がいいので、外に出ておこうと思ったんです」
「・・・確かにな。いい日和だ」
「あ、もしかして今日は懺悔に来てくれたんですか?」
「俺が何したって言うんだ」
「冗談です(てへぺろりん)」
いつ覚えたんだそんなの。
「そうそう」
「ん?」
「ビリーヴさん見かけていませんか?」
「見かけたくない」
ビリーヴ=アダマス、信仰心の思念体。説明気だるい。
「おかしいんですよ…森に山菜採りを頼んだきり帰ってこないんです」
全くを持って興味がない話だ。
「いつからだ?(棒)」
「昨日の昼頃です。あの子頑丈だけれど大丈夫かしら…」
「頑丈だから大丈夫じゃないか(棒)」
そう、あいつは炭素を操るゆえにダイヤモンドになれる。
頑丈(物理)なのだ。
「ちょっと見てきてくれませんか?」
くっそクエストフラグが立ったくっそ。
無事だろあんなの。
「俺じゃなくてもいいよね」
「そうですね、他の人にも手伝ってもらいましょう」
脱退できないイベントかよ・・・
「というわけで」
「正義のためならどこまでも」
「ボク森の中まだ入ったことなかったんだ!」
「この人たちと一緒に行ってもらいます」
「なんだこいつら」
「俺はスヴェン・ヴァニッシュ!呼べばいつでも飛んでいくぞ!」
「スヴェンさんは教徒仲間です。すごく正直者なんですよ」
「ボクはイール・オブヘティボ!よろしくね!」
「彼女は図書館の本を全て読破して暇そうだったので連れてきました」
「・・・」
キャラ濃ゆいな・・・
「で、目的を確認するが」
「はい、森に行ってビリーヴさんを探しに行ってください」
すごく士気が下がる響き
「仕方ない・・・・行くk」「よーし行くぞ!少女を森から救うんだ!」「ついでに色々散策しちゃいましょうよぐへへ」
・・・先が思いやられる・・・
続く