昔のお話

これから語る話の内容はうごメモ世界においての過去の出来事の断片を抜粋したもの。それを第三者目線から解説することにしよう...

 

<第一次動手帳思念大戦戦時中>


黄希星サイドと黒絶星サイドの激しい攻防の中、彼女はただ本能のままにひたすら闘っていた。
「破壊衝動」
正にそれは戦闘において最も適していた思念だと言えよう。
仲間内の中でも群を抜いた攻撃力、戦闘力、破壊力。迷いという思考もなく、純粋に好戦的だったのは彼女だけだったかも知れない。当然の如くその実績は計り知れないものだった。
しかし、ただ一人。革命を起こした者がいた。
その者の手によって彼女の存在意義でもある根本的な意識が奪われ、戦意喪失し、無力化されてしまった。
結果、その後彼女はまともに闘う事も出来ず、揚げ句の果てには撤退までしてしまった。

<思念大戦終戦>

彼女は誰よりも自分を責めていた。黒絶星側の中でも群を抜いての恥さらしだと思わずには居られなかった。
同胞の一人が黒絶星の思念体からの指令により彼女に罰を与える執行者に選ばれた。彼女とよく見知った者だった。
彼は彼女を消滅させなければならなくなった。それに彼女は了承した。償いの為に。
しかし、彼は優しかった。
彼女の能力と性質を封印し、自分の性質を上書きさせ、彼女を亜空間に閉じ込めた。自身を消滅させる代わりに・・・。


 

第一次思念大戦終戦後からしばらく経っても彼女が帰ってくる事は無く、また黒絶星の思念体も現れる事も無かった。
しばらくの間、うごメモには平和と安堵がもたらされていた。



何気ない平凡な日常から突如具現化した異常があった。
「破壊衝動」
奴は勝手に出現し、勝手に平常を破壊した。
「彼女」ではなく「奴」なのである。奴は自分が何者であるか、具体的に言えば能力や技、自分の性格、全て把握していた状態で君臨した。
普通、思念体は新しく形成される時は何も分からない赤ん坊のような「0」の状態からスタートするが、何故かは判明していないが奴だけ「10」からのスタートだったのだ。彼女との関連性は未だ不明である。
そしてこの事態が第二次動手帳思念大戦開戦の前日だった事をこの時はまだ誰も知らなかった。