平和であればそれでいいのです

私、我慢の思念体ことルチア=サプレスはこの街、「シネンタウン」のカフェ「フロッグバックスコーヒー」でバイトをしています。今日は休みなので適当に街とそのあたりを散歩しています。


「フンフフンフフーン~♪」
「こんにちはルチアさん」
「ヴィヤズさん!こんにちはー」


この方は平和の思念体、ヴィヤズさんです。黒髪なんですが前髪だけ白いのがチャームポイントです。あと傘を常にもっています。武器にもなるらしいので護身用に常備してるんでしょうか?


「ご機嫌ですね、何かいいことでも?」
「今日はバイトが休みなんです。それでどこか出かけようかなって」
「そうでしたか、予定は未定なのですね。」
「ええ、何の気も無しに寮を出たので…」
「それなら良い所がありますよ。」
「わ、どこのことでしょう?」
「この街の時計塔ですよ。最近増築が終わって階層が格段に増えたみたいです。」
「えーと…あ、本当だ終わってる…ってか高っ!?」
「確か4日ほど前には終わってましたね。」
「確かその4日間はバイトばかりだったような」
「お疲れ様です。」
「いえいえ、コーヒー配ってるだけですし…」
「されど仕事は仕事です。今日は存分に羽を伸ばしてください。」
「そうさせていただきます」


「しかしこの工事はやけに早くありません?1ヶ月くらい前から始めたはずですよね?」
「なにやら特殊な技法を用いて行ったんだとか…アーティアさんが得意気に話してました。」
「あの人達はすごいですよね。この街の建造物全部建ててるし…」
「彼らは仕事熱心ですから。」
「見習いたいものです。あの図書館もあのお寺も教会もですもんねぇ」
「図書館に関しては館長からの注文の嵐だったそうです。」
「ふふふ、あの人らしいですね」
「そうですね。そして時計塔も同様にアーティアさん達の作品です。」
「あ、それで何故その時計塔へ?」
「最上階へ行くと絶景が観れるそうですよ。この世界全体を一望出来るとか…。」
「わあ素敵!是非とも見てみたいです!」
「では行ってみましょうか。」
「はい!」

二人は時計塔へ向かおうと決めたその時…

続く