L.S プロローグ

世界崩壊…

 
それが終わりで
 
それが始まりだ
 
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私は奴に希望を託した
 
私を解き放つ力を持つ奴に
 
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イハンの図書館を後にした私は奴の居所を掴もうと模索していた
 
が、
 
「全然見つからないんですねこれが!」
 
内心ムシャクシャしていたが、ぐっと我慢した。私はそういう性質の思念体だ。
 
「しかし…町は柱の力で変わり果てて、問題だらけですよまったく」
上空は赤く染め上げられ、町はさまざまな異変で渦巻いている。
先刻、イハンと黒絶星の思念体が対峙していた時に起こったことが原因なのは話に聞きました。ええ。
「ああ、なんであの場で逃がしてしまったんだろう」
危機的状況だったので救助を優先した。甘かった。
普通に捕獲しておけば良かったなぁ。シビレ罠と麻酔玉忘れた。
 
それにバレてはいけなかった。これは私の問題であり、
 
私と奴と彼の問題だから……
 
私の力なら奴をねじ伏せるのはたやすい、しかし、まだその時じゃなかったのは分かっている。まだ時は来ないのか……
 
「さて」
どこへ向かおうか、先に索敵班を作った方がいいだろうか。
範囲は無限大なわけだし……
「なにかお困りかい?」
声の方向に目を向けるとそこには十字架を首に下げた思念体がそこに居た。
「ええ、あなたは?」
「僕はスヴェン、正義感の思念体さ」
「初めまして、私はルチア、我慢の思念体よ」
 
執筆中